日本史の歴史地図へのお誘い
特集 浮世絵
東海道五十三次(蒲原 夜之雪) 富嶽三十六景(神奈川沖浪裏) 婦人人相十品(ポッピンを吹く女)
(これらの浮世絵は、解説とともに『日本史地図・図解集』に収録されています)
東海道五十三次(蒲原 夜之雪)<歌川広重>
歌川広重の「東海道五十三次」は、東海道の風景・風俗や宿場町を描いた風景版画の代表作です。「蒲原 夜之雪」は「東海道五十三次」のなかで随一の傑作であり、また広重畢生の秀作です。積雪の山や家々のふっくらとした姿に、静寂の世界を完ぺきに表出し、深々と更けゆく夜の、無音の空間を表して絶妙です。
富嶽三十六景(神奈川沖浪裏)<葛飾北斎筆>
「富嶽三十六景」は浮世絵風景版画で、富士山をいろいろに描き分けた46枚(36枚に追加の意で10枚付加)の図です。「神奈川沖浪裏」は「凱風快晴」(いわゆる「北斎の赤富士」)と共に富嶽三十六景のなかの傑作です。逆巻く浪にまきこまれそうに、白雪の富士を描いています。
婦人人相十品(ポッピンを吹く女)
上半身を大きく描く大首絵の手法によって、質の高い美人画を生み出しました。婦女人相十品は寛政期の作で、歌麿の美人版画です。5枚のうち「ポッピンを吹く女」は特に有名です。
『日本史地図・図解集』には、上記のほかに浮世絵として、見返り美人図(菱川師宣筆) ささやき(鈴木春信筆) 市川鰕蔵(東洲斎写楽筆) 大谷鬼次の奴江戸兵衛(東洲斎写楽筆) 富嶽三十六景(凱風快晴 葛飾北斎筆) 東海道五十三次(庄野 歌川広重筆) 東海道五十三次(日本橋 歌川広重筆) 東海道五十三次(原 歌川広重筆)が収録されています。