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地理の知識へのお誘い
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特集 地形の成り立ち



プレートの境界  プレートの境界に位置する日本列島  世界の大地形

(これらの地図・図版は、『基本白地図』に収録されています)


プレートの境界

プレートの境界

プレートの境界
 地球の表面は、地球内部のエネルギーによってゆっくりと動く十数枚のプレートに覆われている。プレートの境界は、プレートが水平にずれる「ずれる境界」、プレート同士が押しあって近づく「狭まる境界」、二つのプレートが引っ張りあって遠ざかる「広がる境界」に分けられる。大陸プレートに海洋プレートが沈み込む場所は海溝と呼ばれ、狭まる境界にあたり、日本列島や大スンダ列島などの火山列が連なる。海嶺は広がる境界にあたり、地球内部からマグマがわき出して、海底を両側に広げている場所である。
 狭まる境界である日本列島、伊豆諸島、千島列島、アリューシャン列島やインドネシアの大スンダ列島は弓状の島弧からなり、海溝でプレートが沈み込んで、火山活動と地震が多発する地域である。
 太平洋の東部、大西洋の中央部、インド洋の中央部には南北に、広がる境界である海嶺の列が並ぶ。ここからマグマがわき出し、東西に向けてプレートが動く。北大西洋のアイスランドでは地上に海嶺が顔を出し、火山列が並ぶ。
 アメリカ合衆国のカリフォルニア地方のサンアンドレス断層は、プレート同士が水平にずれる、ずれる境界にあたる。



プレートの境界に位置する日本列島

プレートの境界に位置する日本列島

中央構造線とフォッサマグナ
 中央構造線(メディアンライン)は西南日本をはしる大断層線で、各地に大規模な断層地形を形成している。フォッサマグナは本州中央部を横断する地溝帯で、日本を地体構造の上から東北日本と西南日本に分ける大断層地帯である。その西縁は糸魚川=静岡構造線で大規模な断層地形がみられるが、東縁は富士山や浅間山などの火山の噴出により不明瞭になっている。
日本で起きる地震
 日本で起きる地震には「海溝型地震」と「内陸直下型地震」の2種類がある。前者はプレートとプレートの境で起きるもので、2011年に起きた東日本大震災がこの種の地震である。一方、後者はプレートが押してくることによって日本列島がねじれたり、ゆがんだりする、そのひずみがたまって、日本列島の地下のどこかで岩が我慢できる限界を超えて破壊されて起きる地震だ。地震の規模は海溝型地震よりも小さいが、人が住んでいる直下で起きるので被害を大きくする。1995年に起きた阪神淡路大震災がそれにあたる。
 2016年の熊本地震は典型的な内陸直下型地震だ。この地震にはもうひとつの特徴として、日本最長の断層帯である中央構造線が起こした地震であるということがあげられる。地質学的な研究から、この大断層は過去数百回以上も地震を起こしたことが分かっているが、日本人がこの列島に住み着いてから約1万年あまりにすぎないので、熊本地震は、日本人が目前で大被害を受けたことを経験した、中央構造線が起こした初めての地震ということができる。



世界の大地形

世界の大地形

安定陸塊
 先カンブリア代に地殻変動や火成作用をうけたが、その後、古生代から現世にいたるあいだに、激しい変動を受けない大陸の地殻をさす。安定陸塊を形づくる代表的な地形は楯状地と構造平野。安定陸塊のうち、基盤岩が地表に露出している地域を楯状地という。基盤岩の上に古生代以降の地層が堆積したのちに、長期間の侵食をうけた地形は、多くは構造平野となっているが、海抜高度の高いところに位置し、周辺が侵食されてテーブル状になったものを卓状地という。卓状地としては、アフリカ大陸・アラビア半島・オーストラリア大陸・デカン高原などがあげられる。
構造平野
 地質時代に堆積した地層がほぼ水平を保ち、長いあいだの侵食を受けてつくられた平坦地、またはゆるやかな波状起伏地。東ヨーロッパ平原・北アメリカ中央平原などが典型例。
古期造山帯
 古生代の中期および後期におこった褶曲運動により生じた、古い山地の分布する地域。山地は長いあいだの侵食を受けて、比較的ゆるやかな起伏をなすものが多い。大シンアンリン(大興安嶺)山脈・テンシャン(天山)山脈・スカンジナビア山脈・ペニン山脈・ウラル山脈・アパラチア山脈など。
新期造山帯
 中生代から新生代第三紀にかけておきた褶曲運動により生じた山地の分布する地域。造山運動が現在も続いているため地震帯や火山帯の分布とも重なり、山地の起伏は大きい。アルプス=ヒマラヤ造山帯と環太平洋造山帯の二大山系を構成する山脈群よりなり、海洋上では弧状列島を形づくる。ヒマラヤ山脈・アルプス山脈・ピレネー山脈・アンデス山脈・ロッキー山脈・日本列島など。