次の設問に答えよ(センター試験 改)。
問1 上図の中のいずれかの国における経済や文化について述べた文として最も適当なものを、次の@〜Cのうちから一つ選べ。
@ P国では、欧米諸国の植民地化を免れたために、ビルマ語や仏教信仰など独自の文化が維持されている。
A Q国では、長期にわたる内戦や政情不安から、多くの出稼ぎ者が経済発展を遂げる近隣の国々に流出している。
B R国では、マレー系住民への優遇策により、マレー系住民の社会・経済的地位が中国系やインド系の住民を凌ぐようになった。
C S国では、公用語としてスペイン語と英語が使われており、植民地時代の影響を色濃く残している。
問2 多民族国家として知られるマレーシアの取り組みを説明した次の文中の空欄カとキに当てはまる語句を、下の語群より選び答えよ。
マレーシアでは、マレー系住民に対して、雇用や教育の面を優遇する(カ)政策をとることで、国内において大きな経済力をもつ(キ)系住民とマレー系住民との格差縮小を図っている。
(語群) ブミプトラ ルックイースト アラブ 中国
問3 アジア各国の農業生産について述べた文として最も適当なものを、次の@〜Cのうちから一つ選べ。
@ フィリピンでは、アメリカ合衆国と日本の企業がバナナを大規模に栽培し、主に日本へ輸出している。
A バングラデシュでは、ガンジス、ブラマプトラ(ジャムナ)両河川の三角州(デルタ)で稲作が行われ、米は古くから輸出農産物の首位を占めてきた。
B マレーシアでは、油ヤシやゴムの栽培が第二次世界大戦前に中国系住民によって始められ、戦後、コーヒーやカカオ栽培に転換されていった。
C パキスタンでは、インダス川流域で灌漑設備が整うにつれて野菜栽培が盛んとなり、小麦の総生産量を上回るようになった。
答え
問1 A
問2 カ:ブミプトラ キ:中国
問3 @
解説
問1
Pはミャンマー、イギリスの植民地となった歴史をもつ。Rはマレーシア、イスラーム教徒が多い国である。ブミプトラ政策を実施したが、経済的地位などは中国系が上位である。Sはフィリピン、公用語はタガログ語と英語である。
問2
マレーシアでは中国系住民との経済格差是正のため、マレー系住民を雇用や教育の面で優遇する政策がとられており、「土地の子」を意味するブミプトラ政策とよばれている。
マレーシアをはじめ東南アジアの国々では、華僑あるいは華人とよばれる中国系住民が商業、金融業などに進出し大きな経済力をもっている。
問3
@は適当。フィリピンのミンダナオ島では、アメリカ合衆国や日本の多国籍企業によって開発されたバナナのプランテーションがさかんである。日本に向けて多くのバナナが輸出されている。
Aは不適。バングラデシュは世界第3位の米生産国(2020年)てあるが、人口も多い(1.6億人、2021年)ため、米の輸入国である。バングラデシュの輸出農産物はジュートで世界第2位の生産国(2020年)。
Bは不適。マレーシアでは、第二次世界大戦前は天然ゴムの生産がさかんであったが、戦後は油ヤシへの転換が進み、マレーシアは世界第2位のパーム油生産国(2020年)。
Cは不適。パキスタンでは、のインダス川上流域・パンジャーブ地方では灌漑整備が進んでおり、小麦や綿花の生産はさかんであるが、野菜の生産は少ない。
****