最終更新日2025年5月3日
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詳解地理


プレートの境界に位置する日本列島



(この画像と説明文は『基本白地図』に収録されています)


プレートの境界に位置する日本列島


中央構造線とフォッサマグナ

 中央構造線(メディアンライン)は西南日本をはしる大断層線で、各地に大規模な断層地形を形成している。フォッサマグナは本州中央部を横断する地溝帯で、日本を地体構造の上から東北日本と西南日本に分ける大断層地帯である。その西縁は糸魚川=静岡構造線で大規模な断層地形がみられるが、東縁は富士山や浅間山などの火山の噴出により不明瞭になっている。


日本で起きる地震

 日本で起きる地震には「海溝型地震」と「内陸直下型地震」の2種類がある。前者はプレートとプレートの境で起きるもので、2011年に起きた東日本大震災がこの種の地震である。一方、後者はプレートが押してくることによって日本列島がねじれたり、ゆがんだりする、そのひずみがたまって、日本列島の地下のどこかで岩が我慢できる限界を超えて破壊されて起きる地震だ。地震の規模は海溝型地震よりも小さいが、人が住んでいる直下で起きるので被害を大きくする。1995年に起きた阪神淡路大震災がそれにあたる。
 2016年の熊本地震は典型的な内陸直下型地震だ。この地震にはもうひとつの特徴として、日本最長の断層帯である中央構造線が起こした地震であるということがあげられる。地質学的な研究から、この大断層は過去数百回以上も地震を起こしたことが分かっているが、日本人がこの列島に住み着いてから約1万年あまりにすぎないので、熊本地震は、日本人が目前で大被害を受けたことを経験した、中央構造線が起こした初めての地震ということができる。