最終更新日2025年5月8日
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世界史の学習室
−大乗仏教の成立−
次の文の( )に適する語句を入れ、図版の空欄に適語を答えよ。
紀元前後には、仏教の中から新しい運動がはじまった。それまでの仏教は、出家者がきびしい修行を実践してみずからの救済を求めるものであった。それに対して、新しい運動では、人びとの救済が自身の悟りよりも重要と考え、出家しないまま修行をおこなう意義を説いた(1)信仰が広まった。
この新しい運動を、あらゆる人びとの大きな乗りものという意味をこめてみずから(2)と呼び、旧来の仏教を自身のみの悟りを目的とした利己的なものであるとして、小乗と呼んだ。また、それまでブッダはおそれ多いものとされ、具体的な像がつくられることはなかったが、(3)文化の影響をうけ、仏像が誕生した。
(4)朝の保護をうけた(2)仏教は、(5)地方を中心とする仏教美術とともに各地に伝えられ、中央アジアから中国・日本にまで影響を与えた。また、すべてのものは存在せず、ただその名称だけがあると説いた(6)(竜樹)の(7)の思想は、その後の仏教思想に大きな影響を与えた。
答え
(1 )(2 )(3 )(4 )
(5 )(6 )(7 )(8 )
(9 )(10 )
解答
1菩薩 2大乗 3ヘレニズム 4クシャーナ 5ガンダーラ 6ナーガールジュナ
7空(くう) 8ガンダーラ 9上座部 10大乗
(センター試験 改)
次のa、bは、それぞれ、ある時代のインドの美術様式を代表する仏像の写真である。a、bの説明として最も適当なものを、下の文@〜Cのうちから一つ選べ。
@ aは、インドで作られた最初期の仏像の一つで、純インド的な様式がその特徴である。
A aは、ガンダーラ地方で発見された仏像で、クシャーナ朝を代表する美術作品である。
B bは、グプタ様式を代表する仏像で、ギリシア、ローマなどの西方系美術の影響を強く受けている。
C bは、ナーランダ僧院の仏像で、アショーカ王の時代に制作された。
解答 A
解説
@は不適。「インドで作られた最初期の仏像」は「純インド的」ではなく、ギリシアなど西方の影響を強く受けている。
Bは不適。写真の仏像は、ガンダーラ様式の影響を受けてマトゥラーで制作されたマトゥラー様式の仏像である。
Cは不適。仏像が初めて制作されたのは、1世紀に成立したクシャーナ朝時代のガンダーラ美術によってであり、前3世紀のアショーカ王時代には存在しない。
(世界史の言)
「人間は万物の尺度である」
ソフィストの代表的存在であるプロタゴラスのことば。人間こそが価値の基準であるとして絶対的価値を否定した相対論と考えられている。
