最終更新日2025年5月7日
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地理の知識へのお誘い
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地理の学習室



使われている統計には古いものもあります。新しい統計を調べてみてください。

出てくる地名でわからないものは、かならず地図帳などで確認してみてください。




溶食地形、サンゴ礁


溶食地形

 水が岩石を化学的に溶解していく作用を溶食と呼ぶ。石灰岩地域の溶食が代表例である。

カルスト地形

 石灰岩地域の溶食によってできた地形をカルスト地形と呼ぶ。旧ユーゴスラヴィア北西部のカルスト地方に典型的に発展しているため、この名称がつけられた。二酸化炭素をふくむ水により石灰岩が溶かされ、ドリーネ・ポリエ・鍾乳洞などの特異な地形を形成する。

カルスト地方

 旧ユーゴスラヴィア北西部、ディナルアルプス山脈の北西部に位置する。中生代の厚い石灰岩層からなる大高原で、さまざまな溶食地形が発達し、地表は石灰岩の風化した赤色土壌のテラロッサにおおわれる。

ドリーネ・ウバーレ

 ドリーネは石灰岩の溶食によりつくられた凹地を呼ぶ。直径は10〜100mくらいで底部にはテラロッサが堆積する。隣り合ったドリーネが接続してできたより広い凹地をウバーレという。

ポリエ

 ドリーネやウバーレがいくつも結合してつくられた溶食盆地をポリエと呼ぶ。広大なものになるとその面積が250平方kmに達する。テラロッサが堆積し、耕地や集落が発達する。


サンゴ礁

 サンゴ虫の遺がいや分泌物が集積して形成された石灰質の岩礁がサンゴ礁である。その形態から、裾礁・堡礁・環礁に分けられる。

裾礁(きょしょう)

 海岸に密着し、これをとりまく形で発達したサンゴ礁。わが国では、小笠原・奄美・沖縄の諸島にみられる。

堡礁

 海岸から数kmから十数km沖合に発達したサンゴ礁。サンゴ礁と陸地とのあいだの海をラグーン(礁湖)という。オーストラリア大陸北東岸には、グレートバリアリーフ(大堡礁)と呼ばれる世界最大の堡礁が発達している。

環礁

 裾礁が海面の相対的な上昇にともなって成育し、島嶼が完全に姿を没したあとに、以前の島の形をしたサンゴ礁として残されたもの、サンゴ礁の幅は平均500m〜1kmである。


(センター試験 改)

 次の@〜Cの図で示した2万5千分の地形図には、河岸段丘、火山地形、カルスト地形、氷河地形のいずれかがみられる。カルスト地形がみられるものを、@〜Cのうちから一つ選べ。

溶食地形、サンゴ礁


解答 @

解説
@はカルスト地形。カルスト地形は小規模な凹地(ドリーネ)をつくる。
Aは河岸段丘。等高線の間隔がせまくなっているところは段丘崖。
Bは氷河地形。等高線が示す、スプーンで削ったような滑らかにカーブする地形はカールである。
Bは火山地形。山頂付近の凹地から出る噴火口の地図記号から火山地形であることがわかる。


大学入試問題例

1 石灰岩が(1)を含んだ水に溶けて侵食することを(2)という。 1二酸化炭素 2溶食
2 石灰岩地域には溶食作用の影響で、(1)と呼ばれるすり鉢状の凹地や、(1)がつながった(2)などの(3)地形が形成される。 1ドリーネ 2ウバーレ 3カルスト
3 ( )地形の語源となった地方は、スロベニアにある。 カルスト
4 日本の最も有名なカルスト地形の一つは(1)県の秋吉台で、その地下には(2)の秋芳洞があり、観光地となっている。 1山口 2鍾乳洞
5 中国南部の( )には、溶食作用によって岩塔が林立する奇観がみられる。 コイリン(桂林)
6 サンゴ礁は、熱帯から( )にかけてみられる浅くきれいな海底に形成される。 亜熱帯
7 中央に陸地がなく標高の低いサンゴ礁だけがリング状に連なるものを( )という。 環礁
8 ( )の代表的なものとして、オーストラリア北東岸のグレートバリアリーフがあげられる。 堡礁(注 島や大陸のまわりを防波堤状にとりまくサンゴ礁)
9 堡礁では、陸地との間に( )と呼ばれる水域が広がる。 ラグーン(礁湖) (注 ラグーンは(潟湖)の意味でも使う)
10 陸域での大規模な土地改変にともなって大量の( )が流入し、サンゴ礁の干潟化や水質汚染が進んでいる地域がある。
11 海水温の上昇や気候変動などによって、サンゴと共生している褐虫藻(かっちゅうそう)が抜け出し、サンゴ礁の( )と呼ばれる現象が発生している。 白化



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