有史以来、5000年の人類の歩みを理解することは大変なことだとおもいます。
この大変な世界の歴史に、すこしでも興味をもってもらおうと、
ここでは、おもいつくままに、歴史的な事柄について紹介します。
イシュテイ祭場(バラモン教)
インドの身分制度であるヴァルナ制の最上位を占めたバラモンは,王の即位式から一般庶民の生活上にあらわれる雑多な要請に至るまで,祭主の注文に合わせてさまざまな祭祀をとりおこなった。祭式では祭場を作り,炉を設け,祭火に供物を投じながら自然の神々への賛歌などを唱え,神々の助力を引きだそうとした。
バラモンが構築する祭場は,特定の祭祀のために作られたものなので,例外なく祭祀の終了とともに壊された。従って,のちのヒンドゥー教寺院のような恒常的な施設や,神像も作られることはない。祭場は常に,個別の目的のために,一過性のものとして考えられていた。
しかし,祭場の構築は,神々を勧請する浄域を作ることであったので,なによりも一定の原理に則った厳格な再現が要求された。図は「シュラウタ・スートラ」に記されたイシュティとよばれる祭場の基本型である。