最終更新日2025年6月15日
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大学入試日本史史料問題


白河院政

次の史料は、11世紀から12世紀における政治について記したものである。この史料を読み、問に答えよ(日本女子大 改)。

 第七十二代、第三十九世、(1)、(中略)壬子年(延久4年)即位、甲寅ニ改元。古(いにしへ)ノアトヲオコサレテ野ノ行幸ナンドモアリ。又白河ニ法勝寺ヲ立、九重ノ塔婆ナドモ昔ノ御願ノ寺々ニモコエ、タメシナキホドゾツクリトトノヘサセ給ケル。(2 コノノチ代ゴト)ニウチツヅキ御願寺ヲ立ラレシヲ、造寺熾盛(しじょう)ノソシリ有キ。造作ノタメニ諸国ノ(3)ナンド云コトオホ(多)クナリテ、受領ノ功課モタダシカラズ、封戸・(4 荘園アマタヨセヲカレテ)、マコトニ国の費(ついえ)トコソ成侍(なりはべり)ニシカ。
 天下ヲ治給コト十四年。(5 太子)ニユヅリテ尊号アリ。(6 世ノ政ヲハジメテ院中ニテシラ(領)セ給)。後ニ出家セサセ給テモ猶ソノママニテ御一期ハスゴサセマシマシキ。
 オリヰニテ世ヲシラセ給コト昔ハナカリシナリ。(中略)主上ヲサナクオハシマス時ハヒトエニ(7 執柄)ノ政ナリキ。(8 宇治ノ大臣)ノ世トナリテハ、(中略)後三條院、坊ノ御時ヨリアシザマニオボシメスヨシキコエテ、(中略)践祚ノ時、即(すなわち)関白ヲヤメテ宇治ニコモラレヌ。弟ノ二條ノ教通ノ大臣、関白セラレシハコトノ外ニ其権モナ(無)クオハシキ。マシテ此御代ニハ院ニテ政ヲキカセ給ヘバ、執柄ハタダ職ニソナハリタルバカリニナリヌ。サレドコレヨリ又フルキスガタハ一変スルニヤ侍(はべり)ケン。執柄世ヲオコナハレシカド、宣旨・官符ニテコソ天下ノ事ハ、施行セラレニシニ、此御時ヨリ院宣・庁御下文ヲオモクセラレシニヨリテ在位ノ君又位ニソナハリ給ヘルバカリナリ。世ノ末ニナレルスガタナルベキニヤ。(後略)
(注)オリヰニテ・・・位を下りて

問1 (1)には人物名が入る。その人物名を漢字で答えよ。
問2 この時期「法勝寺」を含めて、(2)の者たちにより相継いで「御願寺」が「造寺」された。これらは総称して何と呼ばれたか、漢字で答えよ。
問3 (3)には、(1)や(2)に対して金銭や米などを納めて、その見返りとして任期終了後、同じ官職を再び受けることを示す語句が入る。その語句を次より選び、その記号で答えよ。
 a 重臣 b 定府 c 重任
問4 (4)のように寄進され集積された「荘園」群のうち、鳥羽上皇が娘のワ子に伝えた後、鎌倉時代後期に大覚寺統に伝来された「荘園」群とは何か。次より選び、その記号で答えよ。
 a 長講堂領 b 八条院領 c 六条院領
問5 (5)の人物は、その後即位して何天皇と呼ばれたか、漢字で答えよ。 問6 (6)のような政治体制下において、その政治主導者が開いた家政機関を何というか、漢字で答えよ。
問7 (7)の語句と同じような職務を持つ役職名を史料中の語句から、漢字で答えよ。
問8 (8)の人物によって、天喜元年(1053)に落成した阿弥陀堂を何というか。漢字で答えよ。
問9 この史料は、神代より後村上天皇までの皇位継承について記し、南朝の正統性を論じた南北朝時代成立の歴史書である。その著者名を漢字で答えよ。

答え
問1(     )問2(     )問3(  )問4(  )問5(     )
問6(     )問7(     )問8(     )問9(     )


解答
問1(白河院)問2(六勝寺)問3(c)問4(b)問5(堀河天皇)
問6(院庁)問7(関白)問8(平等院鳳凰堂)問9(北畠親房)



(この史料問題は、『日本史地図図解問題』に収録されています。)